傷へのケアへ使用する白色ワセリンに関しまして
ワセリン(vaseline)【化】は、ペトロラタム(petrolatum)ともいいます。 色によって黄色ワセリン(yellow Petrolatum)と白色ワセリン(White Petrolatum)があり、白色ワセリンのほうが純度が高いとされています。 日本薬局方において白色ワセリンは「石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製したもの」と定義されています。 軟膏剤のような医薬品の基剤や、化粧クリームのような化粧品などの基剤として用いられます。 また潤滑剤や皮膚の保湿保護剤としても用いられます。
傷のケアに使用するワセリンは不純物のより少ない白色ワセリンを使用します。
白色ワセリン ~White Petrolatum~
■局方収載文書 |
・本品は石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製したものである。 ・性状:本品は白色~微黄色の全質均等の軟膏様の物質で、におい及び味はない。 本品は水、エーテル又は無水エタノールにほとんど溶けない。 ・融点:38~60℃ ・貯法:気密容器 |
■注釈文書 |
・水にほとんど溶けないが、水数 water number すなわち100gが約20℃で保有しうる水の最高グラム数は通常6~16といわれる。 ・用途:軟膏基剤 ・本剤は中性で、刺激性がほとんどなく、寒暖により粘稠度があまり変わらず、植物性又は動物性油脂のように光、湿気によって酸敗することが少ない安定なすぐれた軟膏基剤である。 ・ほとんどすべての薬物と変化なく配合しうるので、種々の軟膏基剤、化粧品基剤として広く用いられる。 ・創傷面、肉芽面や手足のひび、あかぎれに本剤をそのまま保護剤として塗布する。 |
■流動パラフィンとの違い |
・流動パラフィンも白色ワセリンも石油の成分である。 ・流動パラフィンは主として常温で液状の炭化水素からなる。 |
■黄色ワセリンとの違い |
・白色ワセリンは黄色ワセリンを更に脱色したもので、本質的に相違はない。 |
■感想 |
・乾燥した時期や、手があれる時などに、手に優しいオイルはないかと探してきました。 ・毒性も少なく、皮膚浸透性もなく、刺激性もなく、とても優れたオイルの一つですので、何かと愛用しています。 ・市販の木材のツヤ出し剤と同じ成分なので、そちらを買わずに白ワセで代用できるのではないかと思案するほど! ・冬は寝る前のリップとして使うと、翌朝には唇がぷっくりしてイイカンジです。 ・これからも、上手な使い方を探していきたいと思っています。 (実にいろいろ試行中^^) |
■リファレンス |
・第十四改正・日本薬局方解説書、廣川書店 |
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