治療の実際 No.3
バッティングによってカットしたプロボクサーの傷の治療例1..>>
試合でカットしたプロボクサーの傷 2
<処置の手順>
試合後の応急処置で医療用ホチキスで縫合されていました。また消毒・ガーゼの応急処置を行われ、傷にガーゼが張り付き痛がっていました。 |
応急処置での創。一般的には問題ないがプロボクサーの場合には創部の強化が必要。 |
応急処置で行われた医療用ホチキスを丁寧に取り外し、創口を開いて洗浄する。 |
間違った位置へホチキスで留められていた挫滅している創縁のデブリードマンを行う。 |
真皮縫合してデッドスペースを無くし創面がぴったり合うようにする。 |
さらに表皮もナイロン糸で縫合する。 |
ビタミンC誘導体ジェルの塗布し、アルギン酸塩被覆材であるカルトスタットを創部へ被覆する。 |
フィルムドレッシング材を貼る。 |
デッドスペースを作らないようにコットンをはさみ圧迫してテーピング。 |
<1週間後の傷の状態>
キズはふさがっているが、乾燥させた為、荒れてしまっている。 |
創部にステリストリップを丁寧に貼り保護する。術後のケアも重要。 |
<プロボクサーの傷ケア前後>
■ケース 3
プロボクサーのカット創。 |
傷が浅かったため、真皮縫合を行わず表皮をナイロン糸で行った後、ビタミンC誘導体ジェルの塗布し、バイオクルーシブを貼る。 |
<翌日の傷の状態>
キレイに目立たなくなっている。 |
※ビタミンC誘導体ジェルに関しまして傷の創傷治癒促進効果は未だ確実なエビデンスは得られておりません。
しかし、臨床経験上有用と考え、一部の傷のケアに使用しております。
今後のエビデンス確立を期待するとともに研究を本格的に行っていきたいと考えております。
実際、使用している材料は、添加剤を含まないVCIP基材のジェルを使用しております。