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未経験の医師がいきなり美容外科医に最近、全国的に美容外科クリニックの開業ラッシュです。
一般的に内科や外科を開業するまでには最低でも10年の臨床経験が必要になります。
専門医として症例の経験や基礎手技を学ぶに最低限必要な期間です。
ところが、美容外科では、わずか1-2年の臨床経験でいきなり開業するケースも少なくありません。短期間の臨床経験で開業してしまう医師は、大手美容外科クリニックに勤務していた医師が多いようです。
なぜでしょうか?
これは大手美容外科クリニックのほとんどがしっかりした研修システムが確立されておらず、手技習得や学術研究、しっかりした臨床経験が出来ないからです。
こんなものか。
簡単に手術できるな。
適応なんか何でもいいんだ。
患者がクレームを訴えなければ全て手術は成功だ。
とりあえず麻酔してメスを入れればいいんだ。
と極めて安易な気持ちで美容外科手術を始めます。そこには患者様への医療サービスというより利益を優先にしたビジネスのみが際立っているのです。たった、数十分の手術で100万円単位の手術費用を得ることができると金銭感覚まで麻痺してしまうのです。
広告やカウンセリングのノウハウさえ習得すれば、学術的考察や手術手技、トラブルの処置などは二の次。1-2年で自称 カリスマ美容外科医の誕生です。自ら天才美容外科医と名乗りメディアへも登場。驚いたことには臨床経験1-2年の自分の経歴を堂々とHPへ掲載されている医師もいます。どんな天才でもどんな器用な医師でも臨床経験 1-2年で美容外科クリニックを一人で開業できるほど美容外科は低レベルの学問でも医療でもありません。とても残念な話です。
さらに、内科のみの臨床経験しかない医師が開業とともに美容外科診療を取り入れ、それまで施術したことがないボトックスの注射やコラーゲン注入、プチ整形、スレッドリフト、フォトRFなどを経験豊かな医師のごとく行うケースも実際に少なくありません。
簡単に見える施術や手術ほど奥が深く慎重に行わなければならないこともあります。治療の適応や万が一、トラブルが起こった時の適切な処置ができることが絶対に必要なのです。当然、いきなり美容外科医になった医師には無理な話です。
美容外科医として開業して繁盛することと、美容外科医として優れていることは全く別問題です。美容外科医は常に勉強し技術向上に努め、自分の出来る範囲で慎重に患者様へ医療サービスを行うことが大切なのです。
自称、美容外科医には十分ご注意ください。