ネットやSNSの広告では、切らない治療器「ミラドライ」がどちらにも劇的な効果があるように謳われることが少なくありません。
しかし、医学的な本質を見定めると、ミラドライはあくまで「汗の治療」がメインであり、ニオイへの効果は「副次的なもの」に過ぎないという実態が見えてきます。
この違いを理解する鍵は、ワキにある2つの汗腺の仕組みと、ニオイが発生するプロセスにあります。
実は、体に存在する「汗」そのものは本来、完全に無臭です。
ワキガ特有の強いニオイは、汗そのもののニオイではなく、汗の成分が「皮膚の常在菌」によって分解されることで初めて発生します。
ワキには、水分を主成分とするサラサラした汗を出す「エクリン汗腺」と、脂質やタンパク質を多く含む汗を出す「アポクリン汗腺(ワキガの原因)」があります。
このアポクリン汗腺から出た無臭の汗を、皮膚の常在菌がエサとして分解(発酵のような現象)することで、あの独特なワキガのニオイへと変化するのです。
ミラドライが照射するマイクロ波(電磁波)は、組織の「水分」に反応して熱を発生させる特性を持っています。
そのため、水分を豊富に含むエクリン汗腺には狙い通り強力に作用し、汗の量を劇的に減らすことができます。
これが、日本の厚生労働省がミラドライを「原発性腋窩多汗症(多汗症)」の治療器としてのみ承認している理由です。
一方で、ワキガの主原因であるアポクリン汗腺は水分が少なく、さらに皮膚のより深い層に存在しています。
ミラドライの熱がエクリン汗腺を破壊する際、その周囲に伝わった熱によってアポクリン汗腺の一部も「ついでに」壊されることがあります。
これが、汗腺の仕組みによる「副次的な効果」の正体です。
つまり、ニオイの元が減るのはメインの目的ではなく、副産物(おまけ)に過ぎません。
そのため、ニオイを完全に無くしたいと願う人がミラドライを受けると、「思ったよりニオイが残った」という期待値とのギャップが生じ、トラブルに発展することがあるのです。
では、身体にメスを入れることなく、ニオイの元であるアポクリン汗腺をより的確に狙う方法はないのでしょうか。
その選択肢の一つとして注目されているのが「EL法(電気分解法)」です。
EL法は、極細の絶縁針を毛穴からアポクリン汗腺へ直接挿入し、ピンポイントに微弱な電流を流して汗腺を1つずつ処置していく施術です。
皮膚の表面を傷つけず、ニオイの発生源に対して文字通り「直接的」にアプローチできるため、傷跡を残したくないけれどニオイの改善を重視したいという方に適しています。
治療を選ぶ際は、その治療が何を「メイン」としているのか正しく見極めることが大切です。
ご自身の主なお悩みが「汗」なのか「ニオイ」なのかを医師としっかり相談し、最適な治療法を見つけてください。
【自由診療に関する確認事項(限定解除要件に基づく記載)】
治療名:EL法(電気分解法/ワキガ・多汗症治療)治療法:汗や臭いの元となるアポクリン汗腺をピンポイントで除去する治療法
費用の目安:220,000円〜825,000円(税込)
主なリスク・副作用:違和感、毛包炎、施術後の赤み、内出血、一時的な色素沈着が生じる場合がありますが、通常は時間の経過とともに軽快します。効果の現れ方や持続期間には個人差があります。