おしえて末武せんせい

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第 1 回
“二重瞼の施術をうけたのですが、目を閉じるとボツっとした出っ張った傷痕が…”
Aさん : 近所のクリニックで、埋没法では傷跡はできないと説明されたので、二重瞼の施術をうけたのですが、目を閉じるとボツっとした出っ張った傷痕が目立ってしまい困っています。この傷跡は何でしょうか。
Dr.Suetake : これは傷跡ではありません。結紮(けっさつ、外科的処置の際に用いられる身体の一部や医療機器を縛って固定する技術のこと)部 つまり、糸の結び目 が、しっかりと奥まで埋没していないために皮膚の浅い部位に留まってしまい目を閉じたときに盛り上がって、傷跡のようにみえるのです。
Aさん : なぜこんなことが起こるのですか。
Dr.Suetake : 二重瞼手術で埋没法とは原則としましてメスを使用した切開を瞼の皮膚には加えません。字のごとく特殊な細い糸を瞼の中に埋没させて 人工的に上眼瞼挙筋という瞼を挙げる筋肉から分かれた索状物質の二重瞼の素を作る手術なのです。熟練した技術を持つ美容外科専門医に受けるとまず このようなトラブルは起こりません。経験が浅いか処置を雑にした結果起こった二重瞼施術後のトラブルです。この状態は傷跡というよりも、埋没するべき糸の結紮部位がしっかりと埋没していない状態なのです。
Aさん : こうなったら どうすれば治りますか?
Dr.Suetake : 治療法はレーザーで傷跡を治療するような方法ではなく 盛り上がった部位へ小切開を加えて結び目を除去して再度、埋没法をやり直すことがベストの治療法となります。 当院では必ず糸の結紮部位に 18Gという血管をカットする特殊な針で皮膚へ1ミリほどのカットを加えこの部位へ結紮部を留置して確実に糸の結紮部位が埋没する手技をとるためこのようなトラブルはまず起こりません。雑に行われた手術では、埋没不十分な糸の結び目が外部に飛び出てその部位へ感染が起こりシコリのようなものが出現することもあります。
Aさん : 先生、二重瞼手術を受ける時は、クリニック選びは、どうしたらいいですか。
Dr.Suetake : 埋没法は簡単に思えて実は しっかり行うと技術的にも高度なスキルを要求される手術でいろいろな医療機関でも仕上がりや合併症の発生には大きな差が出ています。 当院でも他医院で埋没法を受けた患者様が目を閉じると盛り上がったシコリのようなものが目立つと気にされてご相談に来られます。 もし目を閉じて結紮部位が目立つように膨れた状態であればご相談ください。 リスクを回避した処置で確実に改善させることができます。
Aさん : よろしくお願いします!
第 2 回
“ワキガと薬についておしえてください”
Aさん : ワキガはクリームでも治りますか?
Dr.Suetake : ネット上ではワキガクリームが広告されていますね。 結論から申し上げますと ワキガクリームでも臭いを消すことはできます。しかし、ワキガクリームの成分次第です。市販のワキガクリームでは効果も悪く実際には少し臭いが減少する程度でしたが最近のデオドラントではかなり有効な商品も出てきました。 確実に臭いが消えるほど効果が期待できるのは、医療用ワキガクリームです。 成分はワキガの原因となるアポクリン汗腺の分泌する分泌する物質を破壊する作用を持つ皮膚の常在菌を殺菌することです。この菌を殺菌できる特殊な抗生剤のクリームであれば確実に効果が期待できます。 当院でもワキガクリームの処方は可能です。もちろん医療費控除の対象となります。 しかし、残念ですが永久的効果は期待できません。あくまでもワキガクリームを塗っている間のみ臭いが無くなるだけです。 ワキガを完治させるためにはEL法など物理的なエネルギーで臭いの元の汗腺を破壊することが最善の治療法となります。
Aさん : ワキガと体臭は違いますか?
Dr.Suetake : 体臭は誰にでもあります。 しかし、ワキガは遺伝的な疾患と考えられて、耳垢が湿っている方でアポクリン汗腺の発達している方がワキガ体質になります。 ワキガの臭いと体臭とは異なりますが 大きな意味では 体臭の中にワキガ臭は含まれます。ワキガ臭は体臭の独特な臭いなのです。 特にワキガの臭いは、皮膚常在菌の分解産物になりますので誰にとりましても不快な臭いとなり 治療の対象となります。昔から腋臭症として保険適応でも手術可能な疾患なのです。
Aさん : ワキガには消毒薬が効きますか?
Dr.Suetake:はい、効きます。 意外と知られていない事実なんです。 アポクリン汗腺から分泌された分泌物はほぼ無臭なんですが、皮膚常在菌によって低級脂肪酸、揮発性硫黄化合物、揮発性ステロイドなどに分解されますとこれらが特有な臭いを発生させるのです。どの皮膚の常在菌が、ワキガの臭い発生に関与しているか研究で分かってきました。これらの菌群を消毒薬で減少させることは抗生剤を塗ることと同様にワキガの臭いを減少させることができるのです。
Aさん : ワキガ・多汗症に飲み薬があると聞いたのですが本当ですか?
Dr.Suetake : ワキガの臭いを抑制する飲み薬は残念ながらありません。しかし、汗を抑制する飲み薬はあります。プロパンテリン臭化物が多汗症の治療に用いられています。 プロパンテン臭化物はコリン受容体拮抗薬です。 エクリン汗腺は交感神経支配を受け、神経終末から分泌されます化学伝達物質はアセチルコリンという物質です。コリン受容体拮抗薬というこのアセチルコリンの働きをブロックする薬を全身投与することで発汗が抑制されます。 成人には通常 1日あたり 45-60mgを分割投与します。 しかし、副作用も少なくありません。口渇、悪心、嘔吐、便秘、頭痛、排尿障害、目の調整障害や眠気など。自動車の運転など危険を伴う作業には服用時はできないという欠点があります。
Aさん : 先生、よくわかりました!
第 3 回
“ワキガの見方についておしえてください”
Aさん : 耳垢が湿っている人はワキガなのですか?
Dr.Suetake : ワキガの診断は特有な臭いがワキから発生するか否かです。 耳垢が湿っていてもワキガと診断されない方もいます。しかし、ワキガ症のほぼ全員が耳垢が湿っていることがわかっています。疫学的調査ではワキガ症の方の96%以上が耳垢が湿っていました。 逆に耳垢が湿っている方の80%にワキガがあると言われています。 耳垢に関しまして2009年に全国規模の調査が実施されています。日本各地の高校生1,963人の耳垢遺伝子(ABCC11)を調べたところ、全国平均は23%でしたが地域差があり、東北地方及び南九州~沖縄に耳垢が湿っている方が多く、関西には少なかったのです。これはいわゆる縄文人と弥生人の分布に一致しています。乾いた耳垢の方は数万年前に中国北部に突然変異として生まれ、子孫を増やしながら南に移動し、朝鮮半島経由で日本に渡来した弥生人が起源と考えられています。
Aさん : ワキガは男性と女性とどちらが多いのでしょうか?
Dr.Suetake : 遺伝学的には耳垢の湿っている方の発現には男女差はありません。ワキガ発症の男女差はありません。しかし、ワキガ相談に訪れる患者様は圧倒的に女性が多く その比率は男:女 = 1:5になります。腋臭レベルにおきましてもガーゼテストにおきまして男性の方が女性よりも高く 本来であれば男性の患者が女性と同じか多いはずです。 男性は自覚していない方が多いか 女性の方が腋臭をより敏感にとらえていると言えます。 日本人女性は男性と比較して腋臭の一成分であるイソ吉草酸に対する嗅覚閾値が優位に低いためとも考えられています。
Aさん : ワキガの遺伝検査はありますか?
Dr.Suetake : ワキガそのものを診断する遺伝子検査はありませんが耳垢が湿っているか、乾いているかを診断する遺伝子検査はあります。ABCC11遺伝子の一塩基多型を検出するのが簡単で最適です。
Aさん : ワキガ診断テストはありますか?
Dr.Suetake : 臭いに関します簡便な検査としましてガーゼテストがあります。 患者様の腋の下でガーゼを10分ほど挟んでいただき そのガーゼに付いた臭いを医師が嗅いで診断します。腋臭の程度は5段階に分類されます。
Aさん : 先生、大変勉強になりました!
第 4 回
“ワキガ治療法 ミラドライの特徴についておしえてください”
Aさん : ワキガ治療法 ミラドライの特徴をおしえてください。
Dr.Suetake : 手術を行わなくてワキガが治るという非観血的治療法(ひかんけつてきちりょう 医療行為で、出血を伴わない手法による処置のこと。直接開創して処理を施すものを「観血的」と言う。)の機器の事です。電磁波治療器として米国のミラマー社にて開発され皮膚の表面からマイクロ波を照射して汗腺組織を熱破壊して永続的に汗腺組織を除去する治療器のことです。 面で皮膚へ熱エネルギーを加え表皮ダメージを最小限にするため強く冷却しながら治療を行います。
Aさん : ミラドライのマイクロ波とはどんなエネルギーでしょうか?
Dr.Suetake : マイクロ波とは電磁波の一種で、3.000GHz以下の電磁波を電波と分類しています。 周波数が300MHz~300GHzの電波をマイクロ波と呼び、携帯電話にも使用されている電波もマイクロ波です。マイクロ波は水に吸収されやすい特性を持って 最も効率よく水に吸収される周波数は18GHz前後といわれています。ミラドライでは5.8GHzの周波数を利用して、電子レンジの周波数2.45Hzより水に吸収されやすい周波数を利用しています。
Aさん : ワキガの原因となる汗腺はどこにありますか?
Dr.Suetake : ワキの皮膚には多くの汗腺組織が存在して皮下2-5mmの真皮深層から皮下脂肪組織内に存在しています。このことから汗腺組織は管腔構造と多くの水分をもつため、この真皮深層から脂肪組織層がミラドライのヒートゾーンと考えられています。
Aさん : ワキガ治療のミラドライは看護師が施術を行うのですか?
Dr.Suetake : 治療行為を医師の管理下で会っても看護師が行う事は医師法上許されていません。注射、採血、ガーゼ効果といった処置であれば医師の指示及び管理下であれば看護師が行っても問題ありませんが、治療的施術は医師法違反とも考えられます。 まず法的なことよりも本来医師が行うべきワキガ治療行為であるミラドライを使用したワキガ治療を看護師が行う事は倫理的にも大問題です。 患者様は看護師に治療を希望される方は常識的に考えて皆無です。 腋窩の解剖やワキガの仕組み、ミラドライの機能や特性を十分理解した専門医が治療を直接行う事は医療の常識です。 しかし残念ですが多くの美容外科クリニックでは一切医師は施術を行わず看護師が全て施術を行っているという現実があります。 この理由は、単純に経営的戦略 つまり営利を医療に優先させたためといえるでしょう。医師の報酬よりはるかに安価な看護師が施術を行う事で 治療単価を下げ集客を行う価格競争になっています。 当然、トラブルが多発します。 看護師が行う・・・この行為に疑問を持たない美容外科医はまずおられないはずですが…
Aさん : そうなんですね。よくわかりました。
第 5 回
“ワキガ治療法 ミラドライの特徴についておしえてください”
Aさん : ミラドライは治療部位の冷却を行わないのですか?
Dr.Suetake : ミラドライはハンドピース先端にハイドロセラミックによる冷却装置が付いていて表皮から真皮浅層にかけての熱損傷を防止しています。この先端部位は強力な吸引装置により施術中は皮膚を密着させ腋窩神経損傷を防止できるようになっています。 しかし、出力をアップさせることで熱傷が起こり術後に強い疼痛が数日続くことがあります。
Aさん : ワキガ治療の麻酔はどのように行うのですか?
Dr.Suetake : 基本的にはワキガ治療のどの治療でも局所麻酔薬による注射での麻酔となります。 全身麻酔は原則として行いませんが、不安が大きい方や鎮痛をできる限り優先させる場合では笑気ガスによる笑気麻酔を使用することもあります。 手術でもミラドライでもビューホットでもEL法でも局所麻酔になります。 しかし、麻酔の量や濃度は施術時間によって変わります。 ミラドライや手術では両わきで90分ほど時間がかかることがありますので比較的高濃度の麻酔が使用されることがあります。 一般的に局所麻酔薬は塩酸リドカイン  商品名 キシロカインという薬剤を用いて注射で実施します。 過去にはワキガ手術前の、局所麻酔で 某美容外科クリニック内で死亡事故が起こってしまいました。経験の少ない医師が大量の局所麻酔薬をワキの皮膚へ注射したことが原因でキシロカイン中毒が起こったようです。 麻酔薬の使用はできる限り最小限での使用が大切なことです。 当院では、ELは片ワキ10分程度で治療が終了するため 0.2%という極めて低い濃度の麻酔を8-10㏄ほど使用するだけで歯科で治療を受ける時よりも麻酔量は少ないのです。 このため麻酔にリスクは最大限回避でき安心して治療を受けていただけます。 局所麻酔だから安全ということはありませんので注意が必要です。 治療の前に必ず麻酔の説明をしっかりしていただける医師に治療をゆだねるべきです。
Aさん : ミラドライというワキガ治療の原理を教えてください。
Dr.Suetake : 現在 ワキガ治療として最も普及していますミラドライという治療機器を使用して行うワキガ治療は、5.8GHzのマイクロ波を利用した非観血的汗腺破壊器でFDA承認器となります。汗腺組織を含む層へ麻酔薬を注射して水分量を増やしてマイクロ波が吸収されやすくしてマイクロ波を照射します。マイクロ波による腋窩神経損傷のリスクを回避する目的もあるのです。 ミラドライは出力は可変式で、レベル1-5の5段階設定となっています。 出力は照射時間で設定されています。レベル1では2.4秒、レベル5では、3.0秒。1照射当たり冷却時間を含め30秒かかりますので丁寧に患部全体の施術を終了するには両ワキで60-90分ほどかかります。 マイクロ波によって汗腺組織が存在する部位に熱を発生させて汗腺を熱破壊する理論なのです。当然 表皮は冷却されたと言っても熱によるダメージの完全回避は困難で術後は強い腫れと強い痛みが生じます。 決して痛くない治療では無いのです。 熱傷の痛みはメスで皮膚を剥がしたり切ったりする痛みよりはるかに強く術後は鎮痛剤が必要なことが多いようです。
Aさん : ワキガの治療で 一番痛い治療は手術でしょうか?
Dr.Suetake : 手術後は痛みが強いというイメージがありますが実際は、わきがの手術後の痛みは少なくもし、手術後に強い痛みが発生したら出血による血種形成が疑われ大至急 血種除去の処置が必要となります。 私も過去に1500例以上のワキガ手術を行ってきましたが、ほとんどの患者様が痛みを術後に訴えられませんでした。 一番痛みが強い治療はミラドライによるマイクロ波照射治療です。面で皮膚へ熱を加え汗腺組織を熱破壊しますが冷却装置が付いて冷却しながら照射されますが少なからず表皮や真皮浅層は熱ダメージを受けて 熱傷と同じ状態となります。熱傷は生体に対する障害としては最も強い痛みが発生します。手術よりも確実に痛みが強い治療法といえます。特に最近ではミラドライは医師ではなく看護師が担当して治療を実施するため、術後の状態や経過を医師は知らないことが多いようです。 クレームが無いから痛みも無いと思い込んでいる美容外科医も実際にはいます。 全ての治療の中で術後、無痛であるのは EL法のみです。EL法はピンポイントで汗腺組織を破壊するために表皮や真皮浅層など正常組織へのダメージは全くありません。 ビューホットもランダムに皮膚へ針を刺して高周波による熱破壊を行うため熱傷のような強い痛みを生じたり針穴に一致した熱傷による痛みが生じます。
Aさん : 無痛なのはEL法のみなんですね。知りませんでした。勉強になりました!
第 6 回
“ワキガ治療は脱毛もできます”
Aさん : ワキガ治療の合併症や後遺症はどんなことでしょうか?
Dr.Suetake : ワキガ治療は、手術では多くの合併症が術後に認められましたが非観血的治療法(皮膚を切開するなどして出血する治療を観血的治療といい、非観血的治療とは出血を伴わない治療をいう)が普及してからは合併症は少なくなりました。 手術では、皮膚を剥離するために、剥離した皮膚が母床との間で隙間ができてしまうとその空間に出血が起こり血種形成が起こります。血種形成が起こってしまうと皮膚への酸素、栄養供給ができなくなり皮膚は壊死に陥ります。 皮膚壊死が広範囲に起こると閉鎖まで長期間を要し悲惨な状態になります。創部が治癒しましても瘢痕拘縮状態になり上腕の挙上が困難となることがあります。 手術後には粉瘤というカプセルの中に皮脂のような物質が溜まり膨らんでくる状態になってしまうことも少なくありません。 ミラドライでの合併症はこの機器が普及当初はかなり頻発していたようです。 熱傷による皮膚壊死、腋窩神経損傷も実際、発生して私もミラドライでの治療を受けた後の患者様で合併症に苦しむ患者様の相談に乗らせていただきましたことが少なからずあります。 看護師が施術を行い広範囲に熱傷をきたした症例も経験しました。 ビューホットも熱傷痕による拘縮、極めて醜い イボ状の熱傷痕の施術後のご相談も数多く体験しました。 手術しないから合併症は起こらないということはありません。特に最近、知識も持たない看護師施術が増えてきて重篤な合併症が起こらないか危惧しています。
Aさん : ワキガ治療で同時に脱毛もできるのですか?
Dr.Suetake : 手術でも非観血的治療でも脱毛がしっかりできるレベルでの施術がワキガ治療の完治には必要なことになります。 毛包にはアポクリン汗腺、その周囲にはエックリン汗腺が存在して熱破壊する際には毛包の幹細胞や毛根部位も熱で破壊されます。脱毛が生じるレベルの熱エネルギーが汗腺付近に照射されればほぼ確実に汗腺は破壊されます。 このため、しっかり効果が出るようなワキガ治療では治療部位に一致した脱毛が認められます。
Aさん : 一石二鳥ですね!

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