多感な時期だからこそ深いコンプレックスになりやすいワキガですが、医療機関ではさまざまなアプローチが選択されています。
その中の一つとして、メスを使わない自由診療の選択肢である「EL法(電気分解法)」について、その仕組みと注意点を解説します。
ワキガが発症しやすい「年齢・時期」とは
ワキガ特有のニオイのもととなるのは、脇の下にある「アポクリン汗腺」から分泌される汗です。この汗腺は、主に思春期(10代前半〜20代前半)に分泌される性ホルモンの影響を受けて急激に発達します。一般的には第二次性徴を迎える10〜15歳頃からニオイが気になり始め、新陳代謝が活発な20代前半にかけて症状が顕著になるケースが多く見られます。
また、女性の場合は月経前や妊娠・出産期など、ホルモンバランスが変動する時期に一時的に変化を感じることもあります。
自由診療における「EL法(電気分解法)」の仕組み
ワキガの治療には、保険診療が適用される切開手術(剪除法)のほか、傷跡を抑えたい方向けの選択肢として自由診療の「EL法」があります。EL法は、絶縁体で保護された特殊な細い針を毛穴から挿入し、高周波(電気)エネルギーを流すことで、ニオイの原因となるアポクリン汗腺や皮脂腺に熱刺激を与えてアプローチする施術です。
皮膚の表面をメスで切開しないため、術後の大きな包帯固定が必要なく、当日からシャワーが可能です。
また、アプローチした部位の毛根組織にも熱が伝わるため、結果として脇毛の減毛効果が伴う特徴もあります。
なぜ1回の施術で同時にすべての汗腺を処理できないのか
EL法を検討する際、重要なのが「1回では終わらない」という点です。これには医学的な理由が2つあります。
1つ目は、「毛周期(生え変わりのサイクル)」の存在です。
EL法は毛穴をガイドにして針を挿入しますが、脇の毛穴の中には、表面に見えている毛(成長期)だけでなく、活動を休止している毛穴(休止期)が数多く存在します。
休止期の毛穴は退化して閉じているため、1回の施術でそこに存在するすべての汗腺へ正確に針を進めることが構造上困難です。
2つ目は、「皮膚への安全性を考慮するため」です。
1回の施術ですべての汗腺を無理に破壊しようと高出力を広範囲に照射すると、熱が周囲の正常な皮膚組織にまで及び、強い火傷や激しい腫れ、瘢痕(しこりや傷跡)といったリスクが高まります。
そのため、皮膚への負担を最小限に抑えつつ、安全にアプローチできるよう複数回に分ける必要があります。
治療回数の目安とリスク・副作用
上記の理由から、EL法は通常、複数回の施術を重ねて段階的に状態を整えていきます。- 回数の目安
- 個人の状態や目指す度合いにより異なりますが、一般的には2回〜6回程度の施術が行われます。
毛の生え変わるサイクルや皮膚の回復に合わせ、通常は2〜3ヶ月に1回のペースで通院を継続します。 - リスク・副作用
- 施術後は、針を刺した部位の一時的な赤み、腫れ、軽度の痛み、かさぶたが生じることがあります。
また、体質によっては一時的な色素沈着や、ごく稀に小さな硬結(しこり)が残るリスクがあります。 - 費用の目安(自由診療)
- 全額自己負担となり、1回あたり約10万円〜30万円程度が標準的です。事前にご確認ください。
ご自身のライフスタイルや予算に合わせ、適切な診断を受けることが大切です。
お気軽にご相談ください。
【自由診療に関する確認事項(限定解除要件に基づく記載)】
治療名:EL法(電気分解法/ワキガ・多汗症治療)治療法:汗や臭いの元となるアポクリン汗腺をピンポイントで除去する治療法
費用の目安:198,000円〜825,000円(税込)
主なリスク・副作用:違和感、毛包炎、施術後の赤み、内出血、一時的な色素沈着が生じる場合がありますが、通常は時間の経過とともに軽快します。効果の現れ方や持続期間には個人差があります。