誤解がありませんように
消毒薬が不要ではなく、傷への直接消毒が不要とお伝えしております。
決して消毒薬が不要ではありません。
また、手術や医学的処置の前(関節穿刺、採血など)の消毒はもちろん必要ですし、場合によっては傷の周囲の皮膚への消毒も必要でしょう。
汚染創への消毒は賛否両論があります。
消毒が絶対に必要な場合はいかなる場合かは全て基準があるわけではありません。
しかし、このHPでは一般的なすり傷、切り傷、火傷 に関する治療法をお伝えしております。
免疫異常が存在する方や悪性腫瘍などで特別な治療を行っている方は、集中的な傷のケアや専門医が全身管理の上で行うことですので、私がお伝えする傷のケアが全て当てはまるとは限りません。
動物にかまれた傷や骨折や広範囲な組織破壊を伴った傷、火傷は専門医療機関でケアを受けるべきです。
ガーゼに関しましても直接傷へ当てたりしなければ問題ありません。
止血にはガーゼを使用しますし、汚染創の処置で拭ったりするときにも使用することがあります。
現在では多くの素晴らしい創傷被覆材が発売されているわけですから創傷治癒理論を考えた時、ガーゼの使用は大幅に制限されるのです。
では、応急処置にはどうするんだ!
最初ぐらい消毒してガーゼだろう!
とのご質問も多いのですが、洗浄してサランラップを当ててください。
これで傷がドライになりません。
また、ガーゼを剥すときの組織をむしり取る強い痛みもありません。ワセリンを塗ってサランラップを当てるとなおよいでしょう。
傷を負ったばかりなら消毒、ガーゼだね。
と思われているトレーナーやスポーツ指導者が多いのには驚きました。
傷を負った瞬間から創傷治癒過程はスタートしています。
傷を負った直後が最も重要ですね。
創傷治癒理論をしっかり理解すればこういった的外れな質問や治療行為が少なくなると考えております。
<ガーゼ>
滲出液のコントロール、汚物の受け皿、血液や滲出液、壊死組織などのふき取り、止血の圧迫時にはガーゼは必要です。
<消毒>
壊死組織や汚染創、深部の汚染創、感染のフォーカスの可能性がある創部に関しましては消毒したほうが有効という考えもあります。
どの場合に消毒してその場合に消毒しないかは基準がなく、担当医に任されます。起炎菌の量を減少させるためには、時には消毒も必要。
という考えが医師にもあります。
ただし、こういった創の判断、対応は専門医に任せるべきです。
美容外科医は、創傷ケアに口を出すなとの厳しいご意見もありますが、私は美容診療以外にスポーツ外傷のケア(整形外科疾患を除く)を主たる業務にしております。
トレーナーとしてはやはり、消毒やガーゼの意味や入浴制限、ケアの基準をしっかりとお伝えする必要もあります。
また、これまでも多くのアスリートの創傷治療の経験からスポーツ現場や子供達の一般的な傷に対するケアをお伝えしていきたいと考えております。
最近では銀イオンの入った商品も開発され消毒薬の考え方も少しづつ変わってきたようです。
http://www.woundhealing-center.jp/faq/kizu_q6.html
スポーツ現場も知らずして 何ができるのか?
傷さえみれば アスリートは診なくてよいのか?
創傷治療は形成外科に任せればいい。
しっかり縫合すれば消毒やガーゼなんか関係ないんだ。
というご意見もありますが、一人のトレーナーとしても医師としても傷だけ診るのではなくアスリートを診ていきたいと考えております。
少しでも早く傷を治すメリットはプロのアスリートにとっても大切なことですね。
消毒に関します私見はいささか過激に取られますが、消毒以外にも素晴らしい治療法はあります。
絶対にこんな場合は消毒が必要だ!とういうご意見がありましたら是非、お伝えいただけましたら当サイトでご紹介させていただきます。
<創傷治療に関します ご意見・ご批判・最新情報に関しまして。>