自己多血小板血漿注入療法を応用した皮膚再生
自己多血小板血漿注入療法(Platelet Rich Plasma:PRP)とは、自己血液を使った再生医療のひとつで、1998年、Robert Marxが顎骨再建治療での骨再生の増大目的でPRPを使用しました。PRPは本来人間に備わった自然治癒システムを最大限に利用する再生医療のひとつです。
PRPを用いた治療は歯科用インプラントや糖尿病性潰傷、熱傷、褥瘡など深い傷の治療に実際に利用され大変役立っています。血小板にはたくさんの創傷治癒を促進する因子が含まれています。自己の血液で作成するので安心です。
血小板?
血小板とは、骨髄巨核球より産生されるもので、最大径は約2μm(赤血球:約8μm)、生存期間:約7日~10日。生きて、細胞呼吸をしています。
内部にlysosomal顆粒、dense顆粒、alpha顆粒などの様々な機能を持つ顆粒を産生、貯蔵、放出します。
粘着能、凝集能、放出能、収縮能があり、止血や組織の修復に関係しています。
血小板は様々な成長因子を放出する
血液像
末梢血液内の血小板 |
PRPの血小板 |
自己多血小板血漿(PRP)
自己多血小板血漿(PRP)は自己血液中に存在する血小板を非常に多く含んだ血漿(通常の2倍~7倍)です。このPRPを創部に散布することにより、傷が早く治ります。
慢性潰瘍へのPRP使用例
動脈性潰瘍 |
PRP散布後10日目 |
自己多血小板血漿(PRP)が出来上がるまでの流れ
自己多血小板血漿(PRP)が出来上がるまでの手順を簡単にご紹介します。
超高濃度PRP作成ユニット(MyCells®)を使用
このユニットは、今までNo.1であったリジェン社のキットよりもさらに高濃度のPRPを多量に作成でき、治療効果がさらにアップしました。
キットによって効果が大きく異なり、安価なキットを使用してPRP療法と称して施術を行っている医療機関もあり注意が必要です。
施術費用が極端に安い場合、キットの製材名を明記していない場合は要注意です。
再生医療は安心できる症例数が豊富な医療機関で受けられることをお勧めいたします。
FDAが唯一、生体内投与を認可しているキットは MycellsRのみになります。
(1)自己の静脈血採血
(2)遠心分離機で3,500回転、7分で遠心分離
<採取した血液>
(3)遠心分離後3分程度チューブを静置する
(4)フィルター上の血小板の少ない血漿の半分を吸引し捨てる
(5)シリンジでフィルター上の血漿成分を吸引し、これをフィルター上に優しく吹きつけPRPを撹拌する
(6)極細の特殊針で患部への注入
PRP療法のスポーツ分野への応用
さかえクリニックは現在、PRP療法を美容・スポーツ分野の両方で行っている国内の医療機関です。
順天堂大学大学院医学研究科 小林弘幸教授と共同研究でPRP療法のアスリートへの臨床研究としての施術をスタートしております。
アテネオリンピック・北京オリンピック男子110MH日本代表 内藤真人選手、世界陸上2大会銅メダリスト 為末大選手をはじめ、オリンピック日本代表選手らトップアスリートへPRP療法を行い、有効性が確認されています。
PRP療法の施術をパラリンピック前に3回行い、長年苦しまれてきたジャンパーズニー・膝蓋腱炎・膝蓋靱帯炎が完治し、4回目の出場が叶いました。
PRP療法を受ける前は、数多くの治療を試みられましたがほとんど一時的で完治に至らず痛みを伴って競技を継続していましたが限界でした。
為末大選手が当院でPRP療法を受けられ復帰を果たしたことをメディアの報道で知って連絡があり施術になりました。
毎回、全国からトレーナー、整形外科医、陸上指導者らを招へいし、セミナー&ワークショップの治療モデルとして被験者になっていただきました。
鈴木選手は引退を決意していましたが、PRP治療を行ったことにより東京五輪を目指して現役を続行され、現在もご活躍されています。
2014年 アジアパラリンピック競技大会 400mリレー 金メダル
2015年 走り高跳び 2m01の自己新(日本新)をクリア
プロゴルファーの諸藤将次選手は、左手の種子骨障害により2年間全く改善しなかった左手の痛みが、現在までPRP治療を3回受けて痛みがなくなり、ツアー復帰できるまでに回復しました。
PRP療法セミナー&ワークショップ映像 (映像提供:株式会社ベリタス様)
>> PRP療法治療ページ(さかえクリニック)
>>PRP療法のスポーツ分野への応用(トップアスリート株式会社)
PRP療法にMyCells®を用いた論文
・Platelet-Rich Plasma for Androgenetic Alopecia:A Pilot Study
・Return to sport after muscle injury
・Platelet-Rich Plasma in Androgenic Alopecia: Myth or an Effective Tool